これから成功するだろうと思える人間には、3つのタイプがある。これは持論だけど。

1.必要以上に笑わない奴
2.失言を口に出来る奴
3.オーラがない奴

まず最初のタイプは、典型的なリーダータイプだろう。ふてぶてしいわけではないけれども、皆が笑っている時でも、自分が楽しくなければ笑わないような人間。ここで、笑ってない自分を居心地悪く感じないような神経の太さがある奴は、大体どこかのタイミングで成功していると思う。もちろん、頭が切れることは前提条件だけど。単に空気が読めないのではなく、自身があるから笑わない、というスタンスを貫けるかどうかだ。
次のタイプも、捉えようによっては「ただの馬鹿」ということになる。これは、自分が笑われ役になっでても周囲の話題をさらえるかということだ。良い意味でプライドがない、ともいえる。重い場面で失言を口に出来る奴というのは強い。キャラクターが立っているから覚えられやすいし、ちょっと甘くみられるから重役から気を許されやすい。こういうタイプは地位のある人間の左腕みたいなポジションをまず目指すといいと思う。僕も何度か見てきたが、可愛がられ役だった失言キャラが、いつのまにか偉い人に取り入っており、数年の間にやり手のイメージを得ていたというパターンは多い。彼らも最終的には独立する。
最後のパターンは一番見抜きにくい。この人たちは成功する前と後とで、全く態度が変わらない。基本的に腰が低い。目立つ発言や言動もないわりに、気が付くと重要な場面ではいつもいる。ある日突然、
「あいつ今すごい稼いでるよ」
という噂を耳にすることになる。一瞬、
「えっ!?」
と思う。それから、
「なるほど……」
と、変に脱力する。
そういう人たちだ。
僕はこういうタイプが一番苦手で、かなわないなあと思う。自分は二番目の「失言キャラ」
がベースで、一人でやっていくうちに一番目の「リーダータイプ」になっていったと思う。だから、三番目の「オーラゼロ」系を前にすると「不気味だなあ」と思ってしまう。
彼らはどんなときも目立たない。大きい声で話したり、人前に進んで出て行ったりしない。スピーチや司会をする機会があっても、そつなく無難にこなす。だいたい、独立するようなハングリー精神の強い人間は、どこかで奇をてらったり、内容は普通でも行動量が尋常じゃなかったりするものだ。でも、タイプ3にはそれがない。
多分、最初から自身があるのだ。
それが、謎の落ち着きを醸している。
一貫してどういう場所でも無難でいられる安定感っていうのは、相当の自制心がないとできない。功を焦って飛び出したりしない。勝負に出たりもしない。淡々としている。そして、その自信ゆえに成功する。
だから、彼らが成功したらしいという噂を聞くと、一瞬、虚を突かれた思いがするのだ。それから、その人物について初めて思い返す。そういえばあの時もあの時も、あいつは最大公約数をはじき出していた、と気が付く。
「なるほど……」
と思わず脱力するのは、今までそいつの存在に気が付かなかった自分の迂闊さにがっかりするからだろう。底知れない不気味さも感じる。
どんな場面でもオーラがない奴。今の目標はここだ。