この年齢で、年収ウン千万です……と言うと「さぞ忙しい生活をしているんでしょうね」とか「周囲の人と金銭感覚が合わなくて困りませんか」なんて言われます。
実際は、どちらもはずれです。僕はいちおう、週に四日は仕事をする日にしようと決めて、それを守ってはいますが、基本的には自分の好きなように時間をつかうことができます。
そして、僕みたいな若さで同じような収入を得ている人間が、僕のまわりにはたくさんいます。僕や友人らにとって、半年に一度の頻度で車を買い替えることはごく普通のことです。それから、ちょっといいなと思う女の子に、まだ深い関係になる前から、腕時計をプレゼントしてあげたりするのも、別に珍しいことではありません。もちろん、その時計のブランドがショーメなのか、カルティエなのかは、お相手のレベルに応じて決まります。いくら余裕があるからといって、いい女でもない相手に、僕たちは、財布の紐をゆるめたりはしません。
たっぷりとした休暇も、綺麗な女の子との割り切った、でも甘い関係も、どうやって手に入れるかは自分で決めることができます。それは僕たちにとって、ほとんど当たり前のことです。
綺麗な女の子たちと仲良くなると、彼女のような子たちが沢山いるパーティーに誘われるようになります。化粧品の新作発表だとか、新車のお披露目だとか、そういうやつですね。こうした、普通の人たちも参加するようなパーティーに顔を出すと、自分の金銭感覚が決して一般的なものではないということを思い出します。それから、五年前には自分も、こうした普通の人たちのうちの一人だったことも。
僕はこの数年間で年収を十倍にしました。
みんな、僕が一体なんの仕事をしているのかを知りたがります。
IT関係の企業家なのか、投資家なのか、開業医なのか……。僕の容貌が、それらの職業のどれにも見えないことに困惑します。確かに僕は企業家にしては隙があるというかフレンドリー過ぎますし、投資家というほど抜かりのない目を持ってはいません。平日の昼間はだいたいカフェで本を読んでいる、という話を聞けば、僕が医者でないことはすぐに分かります。
IT関係の仕事、と僕は答えています。実際には僕が携わって仕事の九割が、教育関連の仕事です。残りの一割はサイト作成など。これは実際にはお金にならないのですが、表向き、自分の仕事を誰かに説明するとき用のダミーみたいなものです。
僕は自分の仕事に後ろめたいことはありませんし、現在のような暮らしを送れることに満足しています。世間的にはこういった仕事に対するイメージが良くないことも理解していますが。
でも、往々にして、世間的なイメージすらも、お金で買うことができるのです。僕はそれをこの数年間で学びました。